難しい?名証の仕事とは|地域とのつながり、社会とのつながりを強く感じられる仕事
「公共性が高い」「社会的意義がある」「地域貢献」そんな言葉をイメージする証券取引所の仕事ですが、名古屋証券取引所ならではの仕事とは一体なんでしょうか。長年名証で様々な業務に関わり、現在は人事もされている市川さんと、上場のキーとなる仕事に関わっている小池さんにお話を聞いてみました!
ー早速ですが、自己紹介をお願いします。
市川(写真左):三重県出身、南山大学卒業の市川です。現在は総務部で人事をメインに担当しています。その前は上場審査、さらに前はシステムに関する部署に所属していました。
小池(写真右):東京都出身、南山大学卒業の小池です。上場審査・上場監理などを担当しています。
ーまず、証券取引所をわかりやすく教えてほしいです。
市川:証券取引所の役割は、公正かつ透明で効率的な有価証券市場を提供し、投資家の方が安心して有価証券の売買ができ、企業の方も安心して資金調達できるようにすることです。ここまでは証券取引所全般に言えることですが、名古屋証券取引所(以下「名証」)には「地域経済の発展」という独自の役割があります。
名証は、日本を代表する製造業がひしめく中部地域唯一の証券取引所ですから、中部地域の活性化、ひいては全国の活性化に貢献するという重要な役割を持っています。名証は、経済・社会とのつながりを実感し楽しめる会社だと思いますよ。
ー実際に市川さんは、社会においてどんな役割を実感しながら働いていますか。
市川:例えば、証券取引所では売買取引システムを停止することは許されませんし、小池くんが担当している上場監理に関して言えば、上場会社に適切な内容のプレスリリースを適切なタイミングで行って頂く必要があります。私たちの仕事は多くの方の投資活動に影響する部分なので、そういった環境に身を置くことで証券取引所としての重要な役割を実感しています。
ーそのような役割を感じるのは、どんなときですか。
小池:上場監理業務に関して言いますと、ニュースや新聞で自分が関与していたものが取り上げられたときです。そういうときは嬉しい反面、気が引き締まるような思いになります。
例えば、妻から「こんな会社の上場承認のニュースがあったよ」と言われると、少し怖くなるんです。自分から直接言っていないことを、家族はニュースを通じて知っているわけですから。
また、適時開示(上場した会社がおこなう「重要な会社情報の開示」のこと)の情報にも世に出る前から関与しており、仕事では社会とのつながりを強く感じます。
市川:私の場合は、売買取引システムなど、システムの中枢に携わるときです。当社は幸いにも直接影響を受けませんでしたが、北海道胆振東部地震による大規模停電の際、私自身の認識の甘さもあり、「あのような災害が発生した場合は、取引を停止するのは致し方ない」と当初は思っていましたが、報道やネットでの意見などを見ると証券市場は止まることが許されない経済インフラの一つだと、その厳しさを改めて感じました。
ー社会とのつながりが強い仕事をする中で、会社もしくは個人として心がけていることはありますか。
市川:証券取引所は公平性および信頼性が求められますので、常に法令等の遵守に注意を払っています。一方で、当社の市場参加者(上場会社、取引参加者、投資家など)がメリットを実感できるサービスを提供することを心がけています。そのため、企業のニーズに即したIRサポート活動(IRエキスポなど)、名証が有する情報発信機能を利用しての情報発信、きめ細やかなプレスリリース内容の相談対応などで名証への上場メリットを感じてもらえるようにしています。
小池:証券取引所は自主規制機関ですから、上場会社にとって厳しいことを言わなければならない場面もあります。その一方で、相手の立場に立った対応をする場面もあります。その両極を鑑みたうえで、究極的に役に立つ仕事をするよう心がけています。
ー会社として目指している方向性や大切にしていることを教えてください。
小池:名証のことを「Face to Face」や「顔の見える証券取引所」とよく表しますが、企業の方には丁寧にヒアリングし、プレスリリースの相談の際には一度会ってからお話しすることを大事にしていますね。そこは会社の売りですし、実際に企業の方からも高く評価してもらっています。
市川:プレスリリースだけではなく、IRサポートにおいて企業ニーズを把握するために訪問したり、上場を目指す企業の相談に乗ったりもしており、そういったきめ細やかな対応や妥協のない親身な対応が他の取引所にはできない強みだと考えています。小池くんの話を合わせて、名証を上場市場の選択肢の一つとして考えてもらえるようになっており、実際、最近は名証への上場が増えてきています。
ー最後に、就活生へメッセージをお願いします!
市川:当社は社員の年齢層が高く、経験は豊富なので、それに新しい考え方を+αしてくれるような勢いのある人、将来の名証の中心になるような人に来て欲しいですね。また、一般企業とは異なる非常に公共性の高い仕事に携わることができますので、そういった点に魅力を感じる方にも来て頂けたらと思います。
小池:当社は企業規模が大きくないため、私は上場審査と上場監理という本来であれば別の部署が担うような2つの異なる業務を担当しています。しかし、これは当社の良い点でもあります。上場審査という上場企業としての出発点と、その後上場企業として成長していく過程において携わる上場監理という企業と一貫したお付き合いをしていくことができます。ここは仕事をしていくうえで大きな魅力となっています。その分大変ではありますが、このような仕事に携わってみたいと思う学生さんは一度ぜひ話を聞きに足を運んでください。お待ちしております。